商品開発に込めた"夢"
INTERVIEW 02

商品開発に込めた“夢”

「日本一、世界一の高級化粧品メーカーになる」という夢のもと、1956年に誕生したアルビオン。
化粧品メーカーにとって、商品はまさに“生命”です。創立70周年の歴史のなかで35年以上にわたりアルビオンの商品開発に携わってきた、マーケティング本部 執行役員副本部長・大塚裕子にその想いを聞きました。

商品開発の道へ──思いがけず始まったキャリア

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1985年、新卒で入社。当時はまだ珍しかった女性の営業職として、美容部員研修を1年、営業職として4年、店頭の最前線に立ちました。転機は入社6年目の商品開発部への異動でした。

「営業職としては成果も出せず、落ちこぼれでしたね(笑)。商品開発部への異動は希望していた訳ではなく、予想外の辞令で驚きました。人員不足のなかで、“辞めない根性”を見込まれたのかもしれません」

当時は売上規模こそ今より小さかったものの、新製品の発売品種は非常に多く、開発現場は徹夜も珍しくないハードな環境。それでも商品づくりに本気で向き合う若手が集まる、熱量あふれる職場だったと振り返ります。数々の新製品の企画開発の担当を経て、商品開発部の課長、部長を歴任。

現在はマーケティング本部 副本部長として、商品開発に関する意思決定と後進育成を担っています。

「アルビオンらしい商品開発」とは

アルビオンの商品開発の原点にあるのは、創業時から変わらぬ「日本一・世界一の高級化粧品メーカーになる」という夢。そして大塚が何より大切にしているのが、「ワクワク」という感情です。

「はじめに“夢”ありき。これはずっと変わりません。市場にないものに挑み、“冒険・挑戦・野心”を形にする。それがアルビオンらしい商品開発だと思っています。そのためには、開発担当者自身がワクワクできるかどうか。そのワクワク感が接客者に伝わり、最終的にお客様へ届く。その連鎖があってこそ、本物の商品になると考えています。

一方で、それは“自己満足”と紙一重でもあります。だからこそ、モニターテストなど客観的な検証を重ね、本当にお客様がワクワクできるのかを厳しく見極める。万人受けでなくても、誰かにとって欠かせない一品を生み出す。それがアルビオンの商品開発の“らしさ”です」

商品開発の醍醐味

「アルビオンの商品開発は、『新しい発想』と『肌実感』という二本柱で成り立っています。目新しさの企画だけでは期待外れになり、肌実感だけではワクワクが足りない。その両立こそが最も難しく、最も面白いところ。常に新しい発想を探求する楽しさが、長く続けてこられた理由かもしれません」

「商品開発には明確な正解がありません。どのような品質を目指し、どこで『これでいこう』と決断するのかは開発者自身に委ねられています。ですから、理想を追求する“あきらめの悪い”開発者でありたい。それが完成した時に味わう達成感こそ、開発者の醍醐味だと思います」

数字や理論だけでは測れない価値を最後まで磨き切る。素肌で考え、素肌でつくる。その積み重ねが、アルビオンのロングセラー商品を生み出してきました。

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心に残る商品とエピソード

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数多くの商品開発を手がけるなかで、「失敗も数えきれない」と語る大塚ですが、現行品へと受け継がれている商品も少なくありません。印象深いエピソードを聞きました。

「現在の『フラルネ』の商品につながる『シーバム コントロール エッセンス』の初代(1993年発売)は、若手時代の忘れられない一品です。コットンでふき取るだけで毛穴の黒ずみやザラつきを除去するという発想で企画し、ツルツルっとした肌実感や清涼感にもこだわり開発しました。

実は、発売前には『刺激感が強い』という社内の否定的な声も多くあって。安易に迎合せずに世に送り出したところ、その新しさと肌実感が支持され、とても嬉しかったですね」

「『エクサージュ』(1997年発売)では、当時のマーケティング本部長(現社長)のもと、大型中核シリーズとしてデビューさせる命題があり、プレッシャーも大きかったです。斬新なスペシャルケアでの成功や失敗もありましたが、中心となる乳液の開発には特に苦労しました。『アルビオンの乳液』の魅力を伝える出会いのアイテムにすることを狙い、創業時の乳液『プライアン』に立ち返って開発したアルビオン乳液の王道の肌実感は、現在の乳液にも受け継がれています」

「『エクシア』の美白美容液『イマキュレート セラム』の初代(2010年発売)で、品質に納得できず発売を1年延期した時は社内で怒られましたね(笑)。でも、価格に見合う価値を提供できないなら、妥協すべきではないと判断したからです。ようやく完成した渾身の一品でしたが、28回分で25,000円(税抜)という前例のない価格に本当に売れるのか?という声も。ところが、お取扱店様やビューティアドバイザーの熱い支持からご愛用者が広がり続け、現在は6代目に。長く愛していただいていることに感謝しています」

「夢」を託すということ

後輩への想いとして、大塚が語るのは「経験」の大切さです。

「失敗も含め、できるだけ多くの経験をしてほしい。その積み重ねは必ず後から効いてきます。そして何より、夢を語れること。アルビオンの商品開発は、担当者の感性に委ねられる自由度が高く、失敗も学びとして受け止める風土があります。だからこそ、臆せず挑戦し、自分なりの夢を持ってほしいですね」

「夢を夢で終わらせず、形にしていく。それがこれからのアルビオンを築いていく後輩たちに託したい“夢”です」

35年にわたり商品開発と向き合ってきた大塚の言葉には、「アルビオンらしい」ものづくりへの確かな矜持と、未来への期待が込められています。

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